大腸
大腸

大腸は、食べ物から吸収されなかった水分や老廃物を便として体外に排出する重要な消化器官です。便の形成や排出だけでなく、腸内環境や免疫にも関わるため、大腸の健康は全身の健康にも影響します。症状としては、便通異常(下痢や便秘)、血便、腹痛、腹部の張りなどが見られます。日常生活でも起こり得ますが、症状が長引く、または強い場合は受診が重要です。当院では、専門医による診療や大腸カメラ(内視鏡検査)を通じて、大腸の健康管理をサポートしています。早期発見・早期治療により、症状の改善や合併症の予防が期待できます。
大腸がんは、大腸の粘膜から発生する悪性腫瘍です。初期にはほとんど症状がなく、健康診断や大腸カメラ(内視鏡検査)で偶然発見されることも多い病気です。進行すると、血便、便通の変化(下痢や便秘)、腹痛、腹部の張り、体重減少、貧血などの症状が現れることがあります。大腸がんのリスクには、加齢、家族歴、腺腫性ポリープの既往、生活習慣(高脂肪・低食物繊維の食事、喫煙、飲酒など)が関係しています。診断は、大腸カメラで病変を直接観察し、必要に応じて組織検査(生検)で確定します。がんの広がりやリンパ節転移を確認するために、CTや超音波内視鏡が用いられることもあります。治療は、がんの進行度に応じて行われます。
早期がん
内視鏡的切除で治療可能なことがあります。
進行がん
手術、化学療法、放射線療法を組み合わせて治療します。
大腸がんは、早期発見によって治療の成功率が高まるため、便潜血検査や大腸カメラによる定期検診が重要です。
いぼ痔は、肛門周囲の静脈がうっ血してふくらみ、「痔核」と呼ばれるしこりができる病気です。便秘や長時間のいきみ、座りっぱなしの生活、妊娠・出産などによって肛門周辺の血流が悪くなることが主な原因とされています。内痔核は痛みが少ないものの出血しやすく、排便時に血が付着したり、痔核が外に出てくることもあります。診断は、視診や指診、肛門鏡による観察で行われます。出血の原因が大腸などにある場合もあるため、必要に応じて大腸カメラ(内視鏡検査)を行うこともあります。治療は症状の程度によって異なります。
生活習慣の改善
便秘の予防、長時間の同じ姿勢を避ける、肛門周囲を清潔に保つ
薬物療法
座薬や軟膏で炎症や痛みを抑える
外科的治療
重症例や再発を繰り返す場合には、痔核を切除する手術を行うことがあります
いぼ痔は多くの場合、生活習慣の見直しや薬の治療で改善します。出血や痛みが続く場合は、早めの受診が大切です。
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に慢性的な炎症が起こり、びらんや潰瘍ができる病気です。原因は完全には解明されていませんが、免疫の異常や遺伝的要因、環境要因などが関係していると考えられています。主な症状は、血便、下痢、腹痛、発熱、体重減少などです。症状は軽い場合もあれば、急に悪化する「急性増悪」と呼ばれる状態になることもあります。診断は、大腸カメラ(内視鏡検査)で粘膜の炎症や潰瘍の状態を確認し、必要に応じて生検(組織検査)を行います。血液検査や便検査も診断の参考になります。治療は、症状の程度や炎症の範囲に応じて行われます。
薬物療法
炎症を抑える薬(5-ASA製剤)、免疫抑制薬、ステロイドなど
生活習慣の管理
食事の工夫、ストレスの軽減
重症例や合併症の場合
手術が必要になることもあります
潰瘍性大腸炎は完治が難しい場合もありますが、適切な治療で症状をコントロールし、生活の質を維持することが可能です。定期的な検査で炎症の状態を確認することが大切です。
過敏性腸症候群(IBS)は、大腸に器質的な異常はないものの、腸の働きの乱れや自律神経・ストレスの影響で便通異常や腹痛が起こる病気です。慢性的に症状が続くことが多く、日常生活に影響を与えることがあります。主な症状は、腹痛、腹部の張り、下痢や便秘の繰り返し、便通の変化などです。症状の現れ方や強さは人によって異なり、ストレスや食生活の影響を受けやすいのが特徴です。診断は、内視鏡や血液検査で器質的な疾患がないことを確認したうえで、症状や経過から判断されます。治療は、症状の緩和と生活の質向上を目的として行われます。
生活習慣・食事の改善
食物繊維の調整、刺激物の制限、規則正しい食生活
薬物療法
便通異常や腹痛に応じた薬の使用
ストレス対策
心理的サポートやリラクゼーション法の活用
過敏性腸症候群は命に関わる病気ではありませんが、症状が長引く場合や日常生活に支障がある場合は受診して、適切な対策をとることが大切です。
便潜血検査は、便に血液が混じっていないかを調べる検査です。便潜血が陽性(出血の可能性あり)と出た場合、必ずしも大腸がんやポリープがあるとは限りませんが、大腸の異常が隠れている可能性があることを示しています。
便潜血陽性の主な原因には以下があります:
症状がなくても、早期の大腸がんやポリープを見つけるチャンスとして重要な検査です。便潜血が陽性の場合は、通常大腸カメラ(内視鏡検査)で大腸の状態を詳しく確認します。必要に応じて上部消化管の検査や画像検査を行うこともあります。便潜血検査は、症状がなくても定期的に行うことで大腸がんの早期発見・治療につながる重要な検査です。
虚血性腸炎は、腸に血液が十分に届かなくなることで腸の粘膜が炎症や潰瘍を起こす病気です。大腸に起こることが多く、高齢者や動脈硬化、低血圧、脱水などのある人に発症しやすいとされています。主な症状は、突然の腹痛、下痢、血便です。症状は軽い場合もありますが、重症化すると腸の壊死や穿孔(腸に穴があく状態)につながることがあります。診断は、内視鏡検査で腸粘膜の炎症や潰瘍を確認し、CT検査や血液検査で腸の状態や炎症の程度を評価します。治療は、症状の程度や腸の状態に応じて行われます。
軽症例
安静、点滴による水分補給、腸を休める食事療法で回復することがあります。
重症例
腸の壊死や穿孔がある場合は手術が必要になることがあります。
虚血性腸炎は、早期に適切な対応を行うことで多くは回復します。腹痛や血便などの症状が出た場合は、早めに受診することが大切です。
クローン病は、消化管のどの部位にも慢性的な炎症が起こる炎症性腸疾患です。口から肛門までの消化管のあらゆる部分に炎症や潰瘍ができることがありますが、特に小腸の末端や大腸に多く見られます。原因は完全には解明されていませんが、免疫の異常や遺伝的要因、環境要因が関与すると考えられています。主な症状は、下痢、血便、腹痛、体重減少、発熱などです。症状は軽いこともあれば、急に悪化する「再燃」と呼ばれる状態になることもあります。また、腸管の狭窄や瘻孔(腸と腸、または腸と皮膚がつながる異常な通路)ができることがあるのも特徴です。診断は、大腸カメラや小腸の内視鏡検査、画像検査(CT・MRI)、血液検査や便検査を組み合わせて行います。組織検査(生検)も診断に用いられます。治療は、症状や炎症の程度に応じて行われます。
薬物療法
炎症を抑える薬(5-ASA製剤、ステロイド、免疫抑制薬、生物学的製剤など)
栄養管理
必要に応じて食事指導や栄養補助
手術
狭窄や瘻孔、合併症がある場合に行われることがあります
クローン病は完治が難しい慢性疾患ですが、適切な治療で症状をコントロールし、再燃を防ぐことが可能です。定期的な検査と医師の指導による管理が重要です。
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